リウマチ科は関節疾患の診断、治療を行う科です。なかでも関節リウマチは難治性であり、専門医による早期診断、加療の可否が将来の機能障害、生命予後に大きく左右するといわれています。当科ではリウマチ専門医、関節外科医、リハ専門スタッフとの連携で石川県内屈指の最新のリウマチ医療を展開しています。
※リウマチ科に初めてかかられる方は、なるべくご予約の上、ご来院下さい。
外来診療時間
通常の外来診療は城北診療所にておこなっております。
受診の際には必ず予約が必要です。
土曜日は第4土曜のみ、夜間は第1月曜のみ診療しています。
【診療時間】 (月~金曜)午前 9:00~12:30(受付8:35~12:00) / (月~水曜)午後 14:15~17:00(受付14:00~16:30)
夜間(第1月曜) 17:00~19:00(受付16:45~18:30)/第3土曜9:00~12:30(受付8:35~12:00)
【休診日】 木・金の午後、火・水・金曜日の夜間、第1・2・3・5土曜日、日曜、祝日、5月1日、8月15日(旧盆)、年末年始
- 休診や医師の交代などが臨時で生じる場合があります。あらかじめご予約頂くか、お問い合わせ頂きます様、ご理解・ご協力をお願い致します。
- 指導医のもと、研修医が診療を担当させて頂く場合があります。希望されない場合はご遠慮なくお申し出下さい。
リウマチ科の特徴
40年の歴史
40年程前にいち早くリウマチ科を立ち上げ、リウマチ診療に携わるだけでなく、当初より日本リウマチ学会へ参加し、同会はじめ学会や研究会での発表などしてきました。最近は、ヨーロッパリウマチ学会やアメリカリウマチ学会へも毎年参加するなど学術面での活動を重視し、最新のリウマチ医療を臨床の場で実践することを重視してきました。2013年には中部地区のリウマチ医の学会である中部リウマチ学会を当院村山医師が主催しています。 さらに、「石川リウマチケア研究会」、「石川リウマチ薬物研究会」、「石川関節リウマチの医療連携を考える会」、福井石川富山の関節リウマチを専門にしている医療機関が参加し共同で臨床研究している「FITRA」などに積極的に参加し、城北病院のみならず北陸の多くの基幹病院とも連携しています。
2019年4月東京女子医科大学で長くリウマチ膠原病疾患に携わってこられた堤野みち医師が当科に赴任され、リウマチ科常勤医師は2名から3名となり、体制が強化されました。
対象は関節リウマチなど慢性の関節周囲の疼痛で悩んでおられる方
対象としているのは、慢性の関節周囲の疼痛を抱えておられる方です。疾患としては、リウマチ性多発筋痛症、膠原病、変形性関節症、線維筋痛症、脊椎関節炎などリウマチ性疾患全般ですが、中でも関節リウマチの患者様を多くみています。
経験豊富なリウマチ専門医が診療
診療体制は平日2診体制が基本で、働いておられる方の便宜のため、夜間外来や土曜日の外来も開いています。いずれの外来も経験豊富なリウマチ専門医が診療にあたっています。
関節エコーも実施
検査体制は、単純レントゲン検査、CTスキャンは当日検査が可能で、MRIは予約制となっています。また、診断価値が高く侵襲性の少ない関節エコーも他の医療機関に先駆けて実施しています。
各科と連携しながら治療
リウマチ性疾患は全身的な病態病状の関連が多く、治療はリウマチ専門医が中心となって行います。合併症に対しては、整形外科医、内科医、看護師、リハビリテーションスタッフなどと密に連携しながら対応しております。さらに、必要な場合は大学病院など城北病院以外の基幹病院とも連携して対応していきます。また、年金や医療費など経済的な問題や仕事上の不安などを抱えておられる方のために医療ソーシャルワーカーが対応しています。
充実の患者教室
「病気のことを知りたい」「薬の副作用のことが不安」など様々な疑問に応えるため、リウマチ教室(毎月開催)を開催し、患者様と医師が直接触れ合う機会も持っています。
関節リウマチは、30~50歳代で発症する方が多いのですが、10~20歳代の若い世代で発症する方も少なくありません。患者は1:3-5の比で女性に多く発症します。症状は、複数の関節に痛みが出ることや進行すると軟骨や骨が破壊され体が不自由になることが特徴です。
また、20代から30代の若い女性が妊娠・出産で悩まれる方が少なからずおられます。当院では、治療をしながら妊娠・出産された方も少なからず通院されています。
治療目標は関節の痛みをとることと骨軟骨の破壊を防ぐことにおかれます。 診断は、患者様の訴え、身体所見、血液検査、レントゲン検査で行ないますが、最近では、MRIや関節エコーの所見も参考にされます。 関節リウマチと診断されれば、まず「メトトレキサート」と呼ばれる抗リウマチ薬の服用を検討することになります。慢性の感染症(B型肝炎、結核など)や腎障害、肝障害、肺の病気などを持っている方や高齢者では他の治療についても検討します。 メトトレキサートによる治療がうまくいかない場合は、生物学的製剤を検討します。ただ、生物学的製剤は副作用発症リスクの高い方や経済的理由(3割負担の方で1か月に2-4万円の自己負担となる)などのため使用できない方も多くおられます。その場合も他の治療を検討することになります。 薬物療法で効果が不十分な場合は、生活指導や自助具・装具が必要な方はリハビリスタッフが対応します。また、骨軟骨の破壊が進行し希望するような生活ができなくなった方は、手術療法が選択肢の一つとなります。
なお、最新のリウマチ治療薬は高額なものが多く、経済的理由で有用な薬剤の使用を控える患者様が多くおられます。当院では、低所得者の方のための無料定額診療の手続きや、福祉に関すること(年金、身体障害者手帳、介護保険、自助具や装具の手続きなど)、家庭や職場での問題などについては医療ソーシャルワーカーがご相談をお受けいたします。
検査についても、CTスキャン、MRIはもとより、苦痛が少なく費用がやすい関節エコーを積極的に取り入れています。
患者様向け「リウマチ教室」
「痛みを抑えるにはどうしたらよいのか」 「手足の変形を防ぐにはどうしたらよいのか」 「薬の副作用がこわい」など、 様々な疑問や不安を持っている方のためにリウマチ教室を実施しています。 当院に通院されている患者様や家族の方はもちろんのこと、通院されていない方でもお気軽に参加していただける会です。 リウマチ医をはじめとした経験あるスタッフが参加します。
リウマチ教室
【リウマチに関する知識を習得していただき ご質問にお答えする会】 ★毎月1回の定期開催★
◆通常開催(4月と10月以外):第1金曜日午前(10時~12時) 場所:おたっしゃハウス(関連施設)
◆4月と10月(拡大リウマチ教室):日曜日 場所:院外施設で開催
※ページTOPの写真がリウマチ教室の様子です。医師のレクチャー中です。
※今までの講義内容はこちらのホームページをご参照ください。⇒「リウマチよさようなら」
⇒「リウマチ教室」の開催予定はコチラをご参照ください。
診療実績
診療実績:
関節リウマチの治療については、リウマチ外来では薬物療法に力を注いできました。
2019年の使用状況では、調査した567名中、生物学的製剤の使用割合は57.3%です。詳細については下記の表をご覧ください。
一般名 |
商品名 |
使用人数(名) |
使用割合(%) |
メトトレキサートカプセル |
リウマトレックスカプセル/メレート |
257 |
45 |
|
生物学的製剤 |
トシリズマブ |
アクテムラ |
78 |
14 |
アバタセプト |
オレンシア |
69 |
12 |
エタネルセプト |
エンブレル |
49 |
9 |
ゴリムマブ |
シンポニー |
47 |
8 |
インフリキシマブ |
レミケード/インフリキシマブBS |
38 |
7 |
アダリムマブ |
ヒューミラ |
19 |
3 |
セルトリズマブペゴル |
シムジア |
14 |
2 |
サリルマブ |
ケプザラ |
11 |
2 |
|
JAK阻害剤 |
トファニシチニブ |
ゼルヤンツ |
35 |
6 |
バリシチニブ |
オルミエント |
22 |
4 |
リハビリについては、最近、世界中で注目されているマイオカインの考え方をいち早く取り入れ、2017年から当院で独自に考案した筋肉トレーニング(筋肉増強運動)による治療に取り組んでおり、その成果を学会、研究会、論文などで発表しております。

医師・スタッフ紹介
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中﨑 聡
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リウマチ科部長/リハビリテーション専門医
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- 専門分野
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リウマチ
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- 資格等
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日本リウマチ学会 専門医・指導医
日本リウマチ財団 登録医
日本リハビリテーション医学会 認定臨床医・専門医・指導医
日本内科学会 認定医
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村山 隆司
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- 専門分野
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リウマチ
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- 資格等
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日本リウマチ学会 専門医・指導医
日本リウマチ財団 登録医
日本内科学会 認定内科医
日本温泉気候物理医学会 温泉療法医
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加藤 真一
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非常勤
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- 専門分野
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リウマチ
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- 資格等
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日本リウマチ学会 専門医
日本リウマチ財団 登録医
日本内科学会 認定医
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堤野 みち
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- 専門分野
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リウマチ
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- 資格等
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日本リウマチ学会 専門医
日本内科学会 認定内科医