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医療安全管理指針
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城北病院における医療安全管理指針
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2023年4月
城北病院 院長
齊藤 典才1.医療安全管理に関する基本的考え方
私たちは、患者の人権を守る医療活動をめざして日々奮闘している。人権を守る医療活動には二つの側面があり、その一つは、無差別平等の医療が保障されるための社会保障充実の取り組みであり、もう一つの側面は、患者一人一人の人権を守る医療実践である。医療事故は、患者の人権を侵害する最も重大な問題である。
医療事故防止のためには、人間はエラーをするものであり、そのエラーが重大な事故に結びつかないよう、多重的な防御システムの確立が必要である。また、医療の安全性にかかわる各種委員会の機能が十分に発揮されることも大切である。さらに、インシデントやアクシデント報告を十分に掌握し、それらに対して迅速に対応することも重要である。
医療安全体制を確立し、全職員がそれぞれの立場から医療安全の課題に取り組み、患者の人権を守り、適切かつ安全で質の高い医療サービスの提供を図ることを目標とし、医療安全文化の醸成を目指す。
2.用語の定義
(1)医療事故(アクシデント)
医療に関わる場所で、医療の全過程において発生するすべての人身事故で、以下の場合を含む。なお、医療従事者の過誤、過失の有無を問わない。
- 死亡、生命の危険、病状の悪化などの身体的被害および苦痛、不安などの精神的被害が生じた場合
- 患者が廊下で転倒し、負傷した事例のように、医療行為とは直接関係しない場合
- 患者についてだけでなく、注射の誤刺のように、医療従事者に被害が生じた場合
(なお、針刺し事故については、衛生委員会で扱う)当院では、影響レベル3bからレベル5をアクシデントとする。
(2)インシデント
実際には患者へ傷害を及ぼすことはほとんどなかったが、医療有害事象へ発展する可能性を有していた潜在的事例をいう。
具体的には、ある医療行為が①患者には実施されなかったが、仮に実施されたとすれば、何らかの被害が予測される事象。②患者へは実施されたが、結果として患者へ傷害を及ぼすには至らなかった不適切な事象、または③結果として比較的軽微な傷害を及ぼした事象を指す。
当院では、影響レベル0からレベル3aをインシデントとする(従来のヒヤリハットはレベル0)。
(3)医療過誤
医療過誤とは、医療機関・医療従事者の過失によって発生したインシデント・アクシデントをいう。
過失とは、結果が予見できていたにもかかわらず、それを回避する業務(予見性と回避可能性)を果たさなかったことをいう。
(4)紛争
紛争とは、患者側が病院に対して損害賠償の請求、その他、何らかの要求を提出したものをいう。
3.医療安全管理体制
I.医療安全管理責任者、医療安全管理者、医薬品安全管理責任者、医療放射線安全管理責任者、医療機器安全管理責任者、医療安全推進責任者、医療安全推進担当者の配置
医療安全管理推進のため院長は医療安全管理責任者(主として副院長)を任命すると共に、医療安全管理者、医薬品管理責任者、医療放射線安全管理責任者、医療機器安全管理責任者を置き、更に部門においては、医療安全推進責任者および医療安全推進担当者を配置するものとする。
1.医療安全管理責任者の配置
医療安全管理責任者は、病院における医療安全の統括的な責任を担う者。
2.医療安全管理者の配置
医療安全管理者は、病院における医療安全管理に係る実務を担当し、医療安全を推進する者とする。
①医療安全管理者は、所定の医療安全管理者養成の研修を終了した医療安全に関する十分な知識を有する者とする。
②医療安全管理者は医療安全管理責任者の指示を受け、各部門の担当者と連携協同し、医療安全の業務を行う。
③医療安全管理者の業務は「医療安全管理者業務」に定める。
3.医薬品安全管理責任者の配置
医薬品安全管理責任者は病院の管理者の指示のもとに業務を行う。業務については「医薬品安全管理者責任者の業務」に定める。
4.医療放射線安全管理責任者の配置
医療放射線安全管理責任者は病院の管理者の指示のもとに業務を行う。業務については「診療用放射線の安全利用のための指針」に定める
5.医療機器安全管理責任者の配置
医療機器安全管理責任者は、病院の管理者の指示のもとに業務を行う者とする。業務については、「医療機器安全管理責任者の業務」に定める。
6.医療安全推進責任者の配置
各部門の医療安全管理の推進に資するため医療安全推進責任者を置く。
①医療安全推進責任者は、診療部門:医療安全担当副院長、看護部門:看護部長、薬剤部門:薬局長、事務部門:事務担当管理者、技術部門:検査部技師長、放射線部技師長、臨床工学部技師長、栄養部科長、リハビリテーション部技師長とする。
②各部門の医療安全確保のための実施状況の評価に基づき、業務改善計画を作成し、実施、評価し記録しておくこと。また、医療安全管理対策委員会との連携状況、院内研修の実績、患者等の相談件数、相談内容、相談後の取り扱いなどを医療安全管理者に集中し記録しておくこと。
7.医療安全推進担当者の配置
①各職場の医療安全管理の推進に資するため医療安全推進担当者(医療安全推進委員)を置く。
②医療安全推進担当者は、各部署の職責が任命する。
③医療安全推進担当者の任務「医療安全推進委員会規定」に定める。
II.医療安全管理室の設置
1.医療安全管理室の設置
医療安全管理委員会で決定された方針に基づき、組織横断的の当該病院内の安全管理を担い、病院全体の医療安全管理を日々円滑に行うため院内に医療安全管理室を設置する。
2.医療安全管理室の組織構成
医療安全管理責任者、専従の医療安全管理者を配置する。
III.医療安全管理部門
医療安全管理に関する院内全体の問題点を把握し、改善点を講じるなど、医療安全管理活動の中枢的な役割担うために、院内の最高責任機関として、城北病院医療安全管理部門(以下「部門」という)を設置する。運営・管理等については、「医療安全管理部門規定」に定める。
1.部門の構成
①医療安全管理部門の構成は以下のとおりとする。
医療安全管理責任者
医療安全管理者
GRM
医薬品安全管理責任者
医療放射線安全管理責任者
医療機器安全管理責任者
医療福祉連携相談室職責者
医療安全推進責任者
診療部門:医療安全担当副院長
看護部門:看護部長
薬剤部門:薬局長
事務部門:事務担当管理者
技術部門:検査部技師長、放射線部技師長、臨床工学部技士長、栄養部科長、
リハビリテーション部技士長
②部門の長は、原則として医療安全管理責任者とする。
③部門の副委員長は、原則として医療安全管理者とする。
④部門長がその任務を遂行できない場合は、医療安全管理者がその職務を代行する。
2.任務
医療安全管理部門は主として以下の任務を負う。
①医療安全管理部門会議の開催及び運営。
②医療にかかわる安全確保を目的とした報告で得られた事例の発生原因、再発防止策の検討及び職員への周知。
③院内の医療事故防止活動及び医療安全に関する職員研修の企画立案
④医療事故防止マニュアルの作成、見直し・改定などの検討。
⑤医療事故防止のための啓発、広報など。
⑥その他、医療安全の確保に関する事項。
3.部門会議の開催及び活動
①部門会議は原則として月1回定例会を開催するほか、必要に応じて部門を招集する。
②部門会議を開催したときは、検討の要点をまとめた議事の概要を作成する。
※医療安全管理部門会議については「医療安全管理部門規定」に定める
IV.医療安全管理対策委員会
医療安全対策を具体的に進めるための実働部隊として、医療安全管理部門の下に医療安全管理対策委員会を設置し医療安全対策にかかわる取り組みの評価を行う。また、各職場の委員から構成される医療安全推進委員会を医療安全管理対策委員会の下に設置する。管理・運営等については、「医療安全管理対策委員会規定」に定める。
V.医療安全管理のための院内報告制度の確立
1.報告とその目的
医療安全文化の徹底と、具体的な予防・再発防止のために、アクシデント、インシデント等の情報収集、分析・評価、対策立案を的確に行う体制を確立する。報告者はその報告によって何ら不利益を受けないことを保証する。①医療事故や、危うく事故になりかけた事例などを検討し、医療の改善に資する事故予防対策、再発防止策を策定すること、②これらの対策の実施状況や効果の評価・点検などに活用しうる情報を院内全体から収集する事を目的とする。目的を達成するため、すべての職員は、医療事故等の報告を行うものとする。原則として発生の直接の原因となった当事者又は発見者が行うが、不可能な場合には関係者が代わって行う。
2.報告に基づく情報収集
(1)報告すべき項目
患者への影響レベルのレベル0~レベル3aはインシデントとして報告する。レベル3b~レベル5はアクシデントとして報告する(「医療事故防止並ならびに対応基準」)。
(2)報告の方法
具体的な実施方法については、「安全性に関する報告書運用マニュアル」に定める。
4.医療安全管理のための規定・マニュアル等の整備
1.医療安全管理のための規定・マニュアル等を整備する。
2.規定・マニュアル等の作成と見直し
(1)関係する委員会等が、関係部署共通のものとして整備する。
(2)関係職員に周知し、必要に応じて見直す。
5.職員に対する安全教育・研修の実施
1.全職員を対象とした医療安全管理のための研修を計画し、定期的に開催する(年2回以上)。また、必要応じて随時開催する。
2.研修は、医療安全管理の基本的な考え方、事故防止の具体的な手法等を全職員に周知・徹底することを通じて、職員個々の安全意識の向上を図るとともに、当院全体の医療安全を向上させることを目的とする。
3.職員は、研修が実施される際には、極力、受講するように努めなければならない。
4.医療安全管理対策委員会は、研修の実施内容(開催日時、出席者、研修項目)を所定の方法で記録し、その記録は事務局が保管する。
6.事故発生時の対応方法の確立
医療事故が発生した場合の対応については、「医療事故防止ならびに対応基準」「医療事故発生時の対応フロー図」を別途定める。報告用紙も別途定める。
7.患者からの相談への対応
1.医療福祉なんでも相談窓口への患者やその家族からの医療に関する相談・苦情等については、医療安全管理者や部門の医療安全推進責任者が対応する。
2.患者相談窓口の設置 「患者サポート体制 相談窓口運用マニュアル」に定める
・院内に患者及び家族並びに利用者からの疾病に関する医学的な質問や生活上及び入院上不安などの様々な相談に対する窓口を1階受付横に設置する。
・院内表示を行い、入院案内冊子に相談窓口案内を記載し、患者などが利用しやすいよう努める。
8.医療従事者と患者との間の情報共有に関する基本方針
1.職員は患者との情報共有に努める。
2.本指針は、院内LAN上の文書管理システムで全職員が閲覧できる。また、病院ホームページに掲載し、一般公開する。指針に対する問い合わせには、医療安全管理室が対応する。
9.医療安全管理対策に関する指針の見直しおよび周知
本指針は必要に応じて改正するとともに、医療安全管理対策委員会、管理会議等を通じて、全職員に周知する。

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